猫の恩返し
『ナツちゃんから連絡がありました』


急いで電話をポケットに突っ込み、牧野が帰ってくるのを待った


「牧野、ちょっと…」


「はい?」


席に戻ってきたところを捉まえ、課内にある打ち合わせスペースに連れていく


「朝は悪かったな。助かった」


「いえ、別に。大したことじゃありませんので」


パイプ椅子に腰を下ろしてすぐに今朝の礼を言うと、にべもない返事が返ってきた


「それよりも───…。どうしたんですか?」


「ナツ、何か言ってたのか?」


質問に質問を返す

ナツがどこに行ったのか、牧野に何て伝えたのか気になって仕方がない


「小岩井主任のこと、嫌いだって泣きわめいてましたけど…」


あんのバカ…


フッと笑う牧野に、つい渋い顔をしてしまう
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