猫の恩返し
☆青天の霹靂(へきれき)☆
「仕事、行ってくるな」
「ん、行ってらっしゃい」
「無理すんなよ」
「大丈夫だって」
ここ最近、ナツの調子が良くない
秋には紅葉を見に行こうと約束していたのに、ナツが風邪をこじらせたのか体調が優れず、夜景を見た例の公園で紅く染まる街を見下ろしただけだった
「何かあったら、俺か牧野に連絡しろよ」
「ん、分かった」
ナツが牧野に連絡していたのは、牧野が自分と同じ携帯会社でもう一台契約し、ナツに与えていたかららしい
牧野にそれを言うとバツが悪そうな顔をしたが、礼を言って複雑な手続きをして俺の名義に変更した
「ね、トーゴ」
「ん?」
「………んーん、ゴメン。やっぱり、何でもない」
ヘヘッと情けなく笑う
「『何でもない』じゃない。何かちゃんと言え」
両方の頬っぺたを引っ張り、びろんと伸ばした
「ん、行ってらっしゃい」
「無理すんなよ」
「大丈夫だって」
ここ最近、ナツの調子が良くない
秋には紅葉を見に行こうと約束していたのに、ナツが風邪をこじらせたのか体調が優れず、夜景を見た例の公園で紅く染まる街を見下ろしただけだった
「何かあったら、俺か牧野に連絡しろよ」
「ん、分かった」
ナツが牧野に連絡していたのは、牧野が自分と同じ携帯会社でもう一台契約し、ナツに与えていたかららしい
牧野にそれを言うとバツが悪そうな顔をしたが、礼を言って複雑な手続きをして俺の名義に変更した
「ね、トーゴ」
「ん?」
「………んーん、ゴメン。やっぱり、何でもない」
ヘヘッと情けなく笑う
「『何でもない』じゃない。何かちゃんと言え」
両方の頬っぺたを引っ張り、びろんと伸ばした