猫の恩返し
「そんな勢いみたいな状態で、理解出来るわけねーだろ」
「………」
「分かったんなら、離れろ」
バスタオルから手を離し、ナツの両手を引き剥がした
この手を取ってしまえたら、どれだけ楽だろう
中学の時以降、就職するまで勉強が一番だったから、そんなに女に飢えたことも妄想したこともない
それなのに、人間ではないと分かっていながら好きになった
そんなやつが毎日隣に居て、平静でいられるわけがない
無邪気で恋愛感情を理解出来ていないナツに、こんな気持ち押し付けるわけにはいかないし、これ以上生殺しの状態に置かれるのもごめんだ
「風呂…入ってくる」
落としたバスタオルを拾い上げ、俯いているナツの横をすり抜け風呂に向かった
「………」
「分かったんなら、離れろ」
バスタオルから手を離し、ナツの両手を引き剥がした
この手を取ってしまえたら、どれだけ楽だろう
中学の時以降、就職するまで勉強が一番だったから、そんなに女に飢えたことも妄想したこともない
それなのに、人間ではないと分かっていながら好きになった
そんなやつが毎日隣に居て、平静でいられるわけがない
無邪気で恋愛感情を理解出来ていないナツに、こんな気持ち押し付けるわけにはいかないし、これ以上生殺しの状態に置かれるのもごめんだ
「風呂…入ってくる」
落としたバスタオルを拾い上げ、俯いているナツの横をすり抜け風呂に向かった