猫の恩返し
昼飯…どうすっかな…
惣菜とかでも適当に買って帰るか
カゴを持ち店内をプラプラしていると、傍に居たはずのナツが居ない
「あっ…れ………。ナツ?ナツーッ!」
キョロキョロとしながらナツを捜す
ナツを見つけたのは、野菜のコーナー
トマトを指先で突いたり、両手でカボチャを上げてみたり
子供かよッ
そんなセリフが頭に浮かび、なぜか微笑ましくなる
結婚もしていない…どころか彼女すら居ないくせに、なぜか我が子を見守る父親の心境になった
「ナツー。置いてくぞ」
一瞬だけ小首を傾げ、耳が少しだけこちらに向く形になったが、好奇心をくすぐられるのか振り返りはしない
ナツが猫の姿をしていたら、きっと耳だけピクピクとなっているんだろうな…そう思う
そして、キュウリを手に取ったかと思うと『ボキッ』と音がして、無残にも真っ二つに割れた
「あ─────っ!!!」
俺の声にビクッと体を震わせ、肩を竦めるナツ
片方ずつに割れたキュウリを握り締めたまま、ソロソロと俺の方を振り返る
惣菜とかでも適当に買って帰るか
カゴを持ち店内をプラプラしていると、傍に居たはずのナツが居ない
「あっ…れ………。ナツ?ナツーッ!」
キョロキョロとしながらナツを捜す
ナツを見つけたのは、野菜のコーナー
トマトを指先で突いたり、両手でカボチャを上げてみたり
子供かよッ
そんなセリフが頭に浮かび、なぜか微笑ましくなる
結婚もしていない…どころか彼女すら居ないくせに、なぜか我が子を見守る父親の心境になった
「ナツー。置いてくぞ」
一瞬だけ小首を傾げ、耳が少しだけこちらに向く形になったが、好奇心をくすぐられるのか振り返りはしない
ナツが猫の姿をしていたら、きっと耳だけピクピクとなっているんだろうな…そう思う
そして、キュウリを手に取ったかと思うと『ボキッ』と音がして、無残にも真っ二つに割れた
「あ─────っ!!!」
俺の声にビクッと体を震わせ、肩を竦めるナツ
片方ずつに割れたキュウリを握り締めたまま、ソロソロと俺の方を振り返る