猫の恩返し
8時半頃、1本の電話があった


「小岩井主任、お電話です」


電話の相手は交番勤務の巡査だ


「お疲れ様です」


「おつかれさん。どうした?こんな早く…しかも、俺に電話なんて」


「少しお聞きしたいことがありまして………」


聞きたいこと…?


「小岩井主任…確かお一人で暮らしてますよね?」


言い方こそ丁寧だが、さすが現場に出てるだけあって言葉自体は詰問調だ


「ああ、そうだが…。それが何か?」


「黒髪に金色の眼をした少女に、心当たりはありませんか?」


一瞬でナツのことだと分かる


「あるな。それで…なぜ、お前がそれを知ってるんだ?」


「いえ。主任の部屋から暴れる音が聞こえるけれど、チャイムを鳴らしても反応がない…。普段は静かなのにどうなっているのか…と、通報がありまして…」


何となく嫌な空気が漂った
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