猫の恩返し
雨は相変わらず降り続いていて、傘を差しながら重い荷物を落ちないように肘で押さえつけながら自転車を漕ぐ


「あ…」


途中でノミ退治の薬を買うのを忘れてたことに気付き、また引き返した

こうして往復40分かけて家に帰ると、キッチンのゴミ箱がひっくり返され、中のゴミが散乱してグチャグチャ


「うわ…最悪…。何だこれ…」


玄関に荷物を置き、腰に両手を当て大きな溜息を吐く

猫はどこかと部屋に入ってみると、ベッドの上で丸まって寝ていた


猫ってのは、こんなに扱いにくい動物なのか…


拾ったことを後悔し、もう一度捨てようかどうしようか真剣に悩む

でも色々買ってきた手前、新品のまま使い道がなくなるのも悔しい

誰かが片付けてくれるわけでもないので、嫌々ながらもゴミ箱にゴミを戻し、雑巾で床を拭いた


「はぁ…」


静かな部屋に俺の溜息が広がる


そういえば、飯食ってなかったな…


とりあえず猫がトイレをしたくなった時のために、先にトイレを置き砂を中に敷いた

そして財布を持って近くのコンビニに晩飯を買いに行き、飯を食って風呂に入る
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