猫の恩返し
☆俺達の現在と過去☆
仕事が終わり、家に帰りついたのは9時

マンションの外から見上げてみると、部屋の電気が点いていた

無事家に帰り着いていたことに安堵するも、玄関を開けて部屋の中を見るまで気は抜けない


───飯…勝手に作ってんだろうな…


ナツを拾ってきた初日を思い出して、頭が痛くなる

仕事で疲れて帰ってきて───

だけど家でもう一仕事しなければいけない覚悟を決め、チャイムを鳴らした

バタバタと近付いてくる足音


「おかえりー!」


「うおっ!あっぶねえ!」


何の躊躇もなく、大きく開かれたドア

そのままボーッと突っ立っていたら、勢いよく開かれたドアに直撃していたことだろう


「おかえり」


ピョンピョンと飛び跳ね、同じ言葉を繰り返すナツ


「あのな───…。そんなに勢いよくドア開けて、もし知らないヤツが立ってたらどうすんだよ」


「ん?」


言われている意味が分からないのか、首を真横に倒した
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