猫の恩返し
☆とある休日☆
「ね、トーゴ!あれ、行きたい!」


猫缶を食べてご機嫌のナツが、洗い物をしている俺の傍に駆け寄ってきた


「は?何が?」


「あ・れ!見て見てー!」


肘に両腕を絡ませグイグイ引っ張られ連れて行かれた先は、テレビの前

見たこともない女の子がダイビングをしているらしい地方番組


「行きたい!」


「何言ってんだよ。お前、風呂もマトモに入れないだろ」


「だっ…て………。魚…美味しそうだもん…」


行き着く先はそこか!


テレビ画面の向こう側で泳いでいる魚に釘付けだ

大学の時以来、海には行っていない


「行きたい…」


ジーッと無言の圧力


………

俺…昨日、ビール飲んじまったよな…


「捕まったら………一生恨むからな」


「へ?」


バレなきゃ………

………………

───…くそっ…
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