彼女の涙は赤かった。
私は昔、お母さんとお父さんとお出かけしていました。

「おかーさーん!」

私はお母さんとお父さんとはぐれてしまいました。

「おかあさーんッ」

「おとうさーんッ」

どこにいるの?

『さやかー!』

『さやちゃん!』

お母さんとお父さんの声だ!

「おかーさーん、おとーさーん!」

私は走った。

だけど信号が赤なのを気づかず飛び出した。

『さやちゃん!』
『さやか!』

『キキィーッ!』

私は動けなかった。

私はその時意識を失った。

目を覚ますと知らない人がいた。

『さやかちゃん!』

誰?

「誰?」

『お父さんのお友達だよ』

そうなんだ。

お父さんは?お母さんは?

「お父さんとお母さんは?」

するとお友達という人が泣き始めてこう言った。

『お父さんとお母さんはもう居なくなっちゃた。』

え?

嘘だよね?

嘘って言ってくれるよね?

『嘘ではないよ……』

私のせいだ。

私がきちんと信号を見なかったからだ。

「ごめんなさい……

 私のせいだ。ごめんなさい」

私は最低だ。

『さやかちゃんのせいじゃないよ!』

最低だ。

だから決めた。

これからは感情を無くそう。

そして私は感情がなくなりました。

あいつの話しはもう少し過ぎてからのことだった。
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