償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》
星闇
「おい、それは卑怯じゃねぇか?」
10人で1人を攻めていた。
怯えきったボロボロの男が言った。
「やめて…おけ。こいつら、は、強い…」
私が負けるわけない。
こんなチンピラ小僧達に。
「あぁ?誰だてめぇ。今謝れば見逃してやってもいいぞ?」
それはこっちのセリフだがな。
「闇に包まれし己は星闇。」
その言葉を聞いた男はいきなり震えだし、叫ぶ。
「なっっ!星闇!?」
「闇に包まれし目は、星の光さえ見えぬ。黒く塗られし心は月の光の癒しを知らぬ。命を無駄にする者には天罰を。」
(輝きを知らない目は星の光さえも輝いて見えない。真っ黒な心は月を見てもなにも感じない。
命を大切にしない者には天罰がくだるだろう。)
そして、被っていたフードをとって、黒い髪をなびかせた。
「ほ、ほんとうに、星闇だっ!」
その中のリーダーでさえ震え上がった。
「天罰が与えられる時間だ。」
バキッ
ドカッ
ガッ
ドスっ
嫌な音が狭い道にひびく。
全員気絶させた。
「大丈夫か?」
私はそっと微笑みかける。
「あ、ありがとうございます。」
私は立ち上がり、また深くフードを被った。
「透き通る水、輝く星を見れば思い出す。この夜と、星闇を。」
(透き通る心、輝く瞳を見れば思い出して欲しい。私の言ったことと、自分のしてしまったことを。)