償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》



「美帆も行くでしょ〜?」



「私は…その…用事があるからっ!」


星が出る夜は必ず街に出る。

それが私のモットーだから。



「え~残念……」


「ごめんね、春。」


「美帆~っ!ギュッ」



椅子を近づけて抱きしめてきた。

えっと…可愛い…

だけど…この状況はマズイ…



「おい…美帆から離れろ。」


ほらね…



「ごごめんなさいぃ」



俊介、殺気はしまって…



俊介は椅子ごと移動しながら私の横に来て、自分の膝を叩いた。



これは…乗れってこと??



「……えっと…」


私が戸惑っていると、



「ん。」


と言って両手を広げてきた。



私は吸い込まれるように、立ち上がって俊介の膝に乗った。



居心地がいい……



俊介の腕が私のお腹にまわった。


いつもと立場が逆転していて、ドキドキする。



…何この姿勢…ずるい…


私だって俊介をドキドキさせたい。



私は、俊介の腕を振りほどいて向かい合わせになるように座り直した。



「っっ!なんでそんな可愛いことするの?」


耳に顔を近づけてボソッと言った。



/////



「取り込み中悪いけど、俺らがいること忘れてない?」



大希は「はぁ…」と飽きれたため息をついた。



私は今更…だけど恥ずかしくなって、俊介の胸に顔をうずめた。
< 137 / 202 >

この作品をシェア

pagetop