償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》
女友達。
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少し肌寒くなってきた9月下旬。
転校生がやってきた。
その子は、ショートカットで少し肌が黒く、化粧はしてない。
してなくてもそこらの女の子より綺麗な顔をしている。
さっぱりしてそうな子だった。
「相沢沙奈。よろしく。」
その姿は、どこか凛としていてかっこよかった。
自分をしっかり持ってる…って感じ?
昼休みになると、みんな相沢さんに話しかけに行く。
私はそっと耳を傾けた。
「私のグループ入れてあげるよ。前の学校でも派手メンだったんでしょ?」
ケバいいつもわたし達に媚びってくる女が何故か偉そうに言った。
「は?なんで入らなきゃいけないわけ?だいたいそういうの嫌いなんだよね、グループとか。気が合う者同士で集まればいいじゃん?」
まさに正論。
私は心の中で拍手した。
「っっ~!」
女はそう言われたのが悔しかったのか、少し怒りながら教室から出ていった。
相沢さんは、立ち去る彼女を横目で見送っている。
それと同時に群がっていた女子達も散らばり始めた。
「…ふぅ。」
相沢さんはあからさまにため息をついて立ち上がった。
そして私の方に向かって歩いてくる。
…私……?
目の前で立ち止まり、目が合うと、微笑んだ。
「星闇さん…でしょ?
初めまして。私は星闇さんと同じような活動をしている月闇。」
月闇……私と似てるな。
「……っ!なんで星闇って知ってるの?」
相沢さんは苦笑いをした。
「桜舞が攻められたとき、バッチリ正体明かしたんでしょ?そりゃ広まるよ。」
…そうだよね。
ちょっと浅はかだったな。
「月闇……。星闇と似てるね!」
相沢さんは何かを思い出して言った。
「星闇と月闇は手を組んでる。とか兄弟。ついには恋人なんじゃないか…そういう噂がたってるらしくて……それで私も星闇であるあなたに会いに来たってわけ。」
…月闇……初めて聞いたし、よく分からないけど悪い人ではないみたい。