償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》
「美帆は喧嘩が強くなったし、全国1の族がついてる。私も仲間になって、さらに強くなったでしょ?倒せない相手なんていないはず。それなのに、何を怖がってるの?」
私は何を怖がってる…?
怖がることなんてない。
仲間を信頼しなきゃ。
頼っちゃいけない、なんて。ただの綺麗事。
「私が力を貸すよ?」
私の周りの人はなんでこんなに優しいんだろう。
沙奈を見ると、頬が少しきらきら光っていた。
泣いたの――?
「沙奈、ありがとう。」
私はニコリと笑って、寝っ転がった。
空に手をかざす。
雲がでてきて涼しくなってきた。
こんな広い空に小さな手。
でも、たくさん重ねれば見える空は埋め尽くせるかな?
私はゆっくり目を閉じ、寝た。