償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》
三人目の私
今日は体育祭当日。
いつものように、バイクで桜舞の皆と一緒に来た。
「体育祭かぁ。楽しみなんだけど、楽しみじゃない。」
恭弥があくびをしながら言った。
どういう意味?!
「あ、俺もー!楽しみなんだけどね〜…」
大希も?!
「「俺も〜。」」
……
「なんで?楽しみじゃん!」
私はもう昨日の夜眠れなかった。
なんだかんだ言って、クラスの人達と普通に話せるようになったし、勝ったら焼肉だし!
「…美帆は焼肉のことしか考えてねぇな。喧嘩になったら、絶対俺らが一番に狙われるだろ?無駄に体力消耗したくねぇ。」
俊介に心読まれた…?!
でも、確かに喧嘩は大変なことになりそうだよね。
女子とかキャーキャーうるさいだろうし。
「なるほどねー俊介達は大変だねー」
春はクスッと笑って言った。
「美帆も姫なんだから狙われるよ?
ま、負けることはないだろうけどね♪」
あ……そっか。
ほんとに無駄な体力消耗だなぁ…
「楽しみだったのに…テンション下がった…」
私はブスっとしながら歩いてると、
「よっ!美帆!」
そう言って肩を叩かれた。
振り返ると、笑顔の沙奈がいた。
「おはよっ!」
さっきまで落ちていたテンションがマックスになった気がした。
沙奈がいれば、喧嘩でもなんでも楽しい。
「チッ」
後ろの方から舌打ちが聞こえた。
あきらかに俊介だよね?