償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》
戻ってきた女子達を手当していると、紅木が私のところに来た。
「さっきはありがとう。気づかなかった。」
照れくさそうに頭を掻いた。
「全然いいよ。お疲れ!……っっ!
怪我してるじゃん!」
膝がパックリ割れて、血が溢れていた。
私は手に持っていた天然水を膝にかけた。
「っっ!いいって!それに水道でいいし。」
紅木の怪我は痛々しく、歩くのも辛そう。水道まで行ったら、たくさん出血してしまう。
「そんなんじゃいけないでしょ?
水のことは気にしなくていいから!」
そう言って、残りの全ての水をかけた。
手当箱から消毒を取り出して、傷口に垂らす。
紅木は一瞬顔を歪めた。相当痛いんだ…。
ガーゼを被せてテープを貼り、固定のために包帯を薄く巻いた。
「よしっ!終わりっ!お大事に!」
私はそう言って、他の子の治療にあたった。