償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》


「喧嘩ー特別部門ー参加者集まれ。」



そんなアナウンスが聞こえて、私は治療を止めた。




「美帆、行くぞ。」



真っ先に私を探して、呼んでくれたのが嬉しくて、思わず笑顔になる。



「うんっ!」



俊介に手を引かれ、始めの位置につく。





本当はクラスの人と戦っちゃいけないんだけど、俊介と勝負したいから、他のクラスの人を倒してからやろう。




私は勝手に心の中で決心して、目を閉じた。




さっきまでの応援の声はもう、聞こえない。





目を閉じていて、見えるのは暗闇。


だけどどんな深い闇に入っても、そこから引き上げてくれる仲間がいる。



だから、美帆を捨てて、星闇になれる。






最近編み出した技はあとで使おう。




呼吸を整える。








「始めっ!」



その合図とともに足音が鳴る。



私に寄ってきているのは…10人程度かな。







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