償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》






私はダメな人間だ。





弱い。



弱い。



弱い────




ザザァン





海だ………




私は綺麗だと思えなかった。





夕日に照らされて海がキラキラ輝いていた。

ゆらゆら揺れる、水面。




海が、私を手招きしているようだった。






私はゆっくりと海に近づく。





ぴちゃ



ぴちゃ



ぽちゃっ



じゃぶ


どんどん深くなる。




怖くない。





もっと…怖いものをたくさん見てきたから。





ギリギリ足が着くくらいの所まできた。






ジャブ




私は一歩ずつ進む。





……




タッタッタッ



「おいっ!なにしてんだよ!」



誰かが焦ったように叫んだ。

俊介…?






振りいたらダメ。

きっと、戻りたくなっちゃうでしょ?




ジャブ




ジャブ




聞こえない振りをして、どんどん沈んでいく。








頭が全部浸かった。





海でも息をしてるんじゃないかってほど、苦しくない。


このまま、死ねる…





みんな、


ごめんね。


やっと会えるよ----------













グイッ





意識を手放そうとしたとき、腕を引っ張られた。






「ぷはぁっ!」




私は水面から顔をだす。

制服のまま入ってびしょ濡れの俊介。





「お、お願い…死なせて。」


何故か私の声は震えていた。



「お前に死ぬ資格はねぇ。」



知ってるよ…そんなの…

ずっと前から。




「離してっ!」




私は掴まれた腕を思いっきりふる。


だけど男の力にかなうはずなくて。



「帰るぞ。」



俊介は強引に私の体を陸へ向かわせた。


なんで…どうして…



どうして…助けるの?


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