償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》





「俊介は本当に、何もわかってない…っ!」



強引に掴まれてる腕を解こうと抵抗するように暴れる。



「分かってないのは美帆だろっ!」





俊介は叫ぶように、叱るように言った。



私は、なんて返せばいいかわからなかった。

そして、抵抗をやめた。




「言っただろ。美帆は人生を無駄にしちゃだめだ。」




グイグイ腕を引っ張られて、砂利の所へつく。





「もう、こんな人生、耐えられない。」



こんな、自分が生きてるのか、死んでるのかわからないような人生。

もう、限界...............................。



「だったら俺が、美帆の生きがいになってやるよ!」



ねぇ、それどういう意味を指してるかわかる?

「死ぬ」ってことだよ?



「……私の生きがいは償い。」


そう静かにいう私に、俊介も静かに言った。




「違う。被害妄想すんな。
もう、充分悲劇のヒロインだっただろ?」



もう、充分過ぎるくらい。

でも、なんて私に笑顔で手を差し延べるの?




「俊介は…命が惜しくないの?」


私に関わったら死んでしまうと知っているのに。




「俺らをなめんなよ。簡単にやられねぇ。」



私を受け入れてくれるの......................................................?





「~っっ!う、うぇっ、うわぁぁぁぁぁぁん!ふぇっくっ」





もう一度、もう一度だけ、信じてみてもいいですか────




「泣けばスッキリする。」




「一生分の涙を、今全部だせ。」



俊介は私を優しく抱きしめてくれる。



壊れた、宝物を抱くように…。



< 40 / 202 >

この作品をシェア

pagetop