償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》
お互いびしょ濡れのはずなのに、温かい。
「ああ~!!大希、いたよー!」
遠くでそんな声がした。
「まじで?ああ、美帆〜」
遠くから駆け寄ってくる2人…。
大希と恭弥だった。
「あれ?なんで二人とも濡れてるの?」
大希は俊介の制服を触った。
そっか。
さっきいなかったから分からないか。
あんまり、知られたくない、な…。
「海で遊んでたんだよ。」
俊介は平然と答えた。
え…。
「いや、絶対それはないだろ。」
恭弥は苦笑いだったけど…
嘘が下手。隠れた優しさ。
俊介のことをもっと知れた気がして嬉しかった。
「あははっまぁ、いいじゃん。」
私は心から笑った。
また目に涙が溜まってきたけど。
こんなに泣いて、こんなに笑ったのはいつぶりだろう。