償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》


「大丈夫?」


私の背中をツンツンしてきたので、振り返ると大希は心配そうな目をしていた。




「そんなこと、慣れっこだから。謝られたのは初めてだけど…」



私は笑顔を作る。



でも、やっぱり心からは笑えない。




笑顔がひきつってると思う。


大希は本当に?みたいな顔で私を眺める。


「みんながいるから。大丈夫。でしょ?」



私は念を押すように言った。

今はうまく笑えないけど、大丈夫って伝えたかった。




「もちろん!」


そのやりとりを見ていた俊介はふっと笑った。




「強くなったな。」



大きな手で頭を撫でられる。


なんか安心する…




「強くないよ。ケンカ…教えてくれる約束でしょ?」



そしたら、もう大丈夫。

喧嘩ができるようになれば……



「…ああ。今日から倉庫でな。」



みんなのこと守れるようになる。




絶対に、強くなるから。
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