償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》
「今日はとりあえずここまでにするか…。この部屋はいつでも使っていいからな。」
俊介は私にこの部屋の鍵を渡してきた。
それを両手で丁寧に受け取った。
「うんっ!ありがとう。明日もよろしくおねがいします!」
私は敬礼してみせた。
「おぅ。じゃ、総長室戻るか。」
今日はけっこう上達した。
パンチをよけて殴るのも出来るようになった。
回し蹴りの首狙いも。
きっと俊介の教え方がうまいからだ…。
「今日はもう寝るか?」
「お風呂入ったら寝るよ。先に寝てて。」
今日はおじいちゃんに泊まるって言ってきたから大丈夫だ。
俊介は、朝風呂も入ってるくらいなのに今日は疲れたのかな?
私も疲れてるけどお風呂入らないと臭いって思われちゃうし、寝れないから…入るしかないんだ。
俊介…ありがとう。
費やしてくれた時間の倍、強くなるから!
パシャっという水しぶきをあげて私は水面に顔をつけた。
海では苦しくなかったのに、すぐ息がもたなくなって…
「ぷはぁ、はぁ」
水面から顔をあげた。
「がんばるぞぉ~!!!!」
一人で叫んで一人でガッツポーズをした。
絶対に俊介よりも強くなる。
そう誓った夜だった。