償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》








「今日はとりあえずここまでにするか…。この部屋はいつでも使っていいからな。」


俊介は私にこの部屋の鍵を渡してきた。

それを両手で丁寧に受け取った。



「うんっ!ありがとう。明日もよろしくおねがいします!」


私は敬礼してみせた。




「おぅ。じゃ、総長室戻るか。」



今日はけっこう上達した。

パンチをよけて殴るのも出来るようになった。



回し蹴りの首狙いも。



きっと俊介の教え方がうまいからだ…。




「今日はもう寝るか?」


「お風呂入ったら寝るよ。先に寝てて。」



今日はおじいちゃんに泊まるって言ってきたから大丈夫だ。



俊介は、朝風呂も入ってるくらいなのに今日は疲れたのかな?



私も疲れてるけどお風呂入らないと臭いって思われちゃうし、寝れないから…入るしかないんだ。








俊介…ありがとう。


費やしてくれた時間の倍、強くなるから!


パシャっという水しぶきをあげて私は水面に顔をつけた。


海では苦しくなかったのに、すぐ息がもたなくなって…


「ぷはぁ、はぁ」


水面から顔をあげた。



「がんばるぞぉ~!!!!」


一人で叫んで一人でガッツポーズをした。


絶対に俊介よりも強くなる。
そう誓った夜だった。
< 59 / 202 >

この作品をシェア

pagetop