償いのprincess〜2度目の仲間〜《上》
「ミルクティーと、チョコケーキ。」
「かしこまりました。」
ここの店は本当においしい。
でも、見つけにくいところにあるから、みんな気づかない。
もったいないな…
「おまたせしました。」
いつもと変わらない甘い香りが私の心を落ち着かせた。
…
「おいしい。」
「そうですよね!私もバイト始めて自分で飲んでばっかりで…あはは…」
運んできてくれたお姉さんは愛想良く笑った。
「そうなんですか。私、よくここ来るんですよ。」
「知ってますよ?子供の頃から来てますよね。」
…
「え?知り合いでしたっけ?」
なんか申し訳ない。
「いえ、でもここ、人気があるわけでもないし…来る人が決まってるんで、ほとんど顔は知ってますよ。」
なるほど。覚えとこ…えっと…
芹沢さん、か。
「そうなんですか!てっきり知り合いかと…」
私は乾いた笑いをする。
こんなに喋ったのは久々かもしれない。
「また、会えたらいいですね。」
「そうですね!」
「では、ごゆっくり。」
感じのいい人。
クラスにはあーゆー人いないな…