麗雪神話~炎の美青年~
3
「我こそは王子ジェラールなり―!」
賑やかな声が聞こえてきたので、セレイアとディセルが何事かと警備していた書斎天幕の中をのぞくと、以前にも会ったくせっ毛の少年ラクールが、棒切れを振り回してブレイズの背中に馬乗りになっていた。
ブレイズは重いのか、うぅ、と呻いている。
「な、なにやってるんですか!」
セレイアが思わず仲裁に入ろうとすると、セレイアをみつけたブレイズが馬乗りになられたまま顔を輝かせた。
「セレイアさん! いえ、ちょっと冒険物語ごっこを」
「冒険物語…ごっこ? それでどうしてこんなことに」
「ああそれは。僕、馬の役なので」
にこにことそう説明するブレイズに、セレイアは面食らった。
寛容…というかなんというか。
賑やかな声が聞こえてきたので、セレイアとディセルが何事かと警備していた書斎天幕の中をのぞくと、以前にも会ったくせっ毛の少年ラクールが、棒切れを振り回してブレイズの背中に馬乗りになっていた。
ブレイズは重いのか、うぅ、と呻いている。
「な、なにやってるんですか!」
セレイアが思わず仲裁に入ろうとすると、セレイアをみつけたブレイズが馬乗りになられたまま顔を輝かせた。
「セレイアさん! いえ、ちょっと冒険物語ごっこを」
「冒険物語…ごっこ? それでどうしてこんなことに」
「ああそれは。僕、馬の役なので」
にこにことそう説明するブレイズに、セレイアは面食らった。
寛容…というかなんというか。