麗雪神話~炎の美青年~
第六章 成人の儀
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成人の儀の行われる聖なる森“アル=プラス”へとセレイアたちが出発したのは、儀式の前日であった。
旅程としてはマグマの洞窟よりもだいぶ短く、道も整備されているため、快適な旅となった。
セレイアを先頭に、ディセル、ブレイズと続き、徒歩で森を目指す。
徒歩なのは、儀式はすでにはじまったようなもので、族長候補たちがそれぞれ自らの足で会場まで来ることが決まりとなっているからだった。セレイアたちもそれにならい、宿にプミラを置いてきた。
砂煙舞い散る荒野の道。
本当にこんな荒野の真ん中に森などあるのだろうかと半信半疑だったが、近づくにつれ信じざるを得なくなった。
驚きと、不思議さ。
それはトリステアとアル=ラガハテスの国境を見た時と似たような感覚だった。
川を挟んで雪がなくなったように。
ぴったり線で区切ったようにして、荒野の真ん中に鬱蒼と生い茂る森があったのだ。
一歩そこに踏み込むと、空気が変わった。
しっとりとして、酸素が濃い。そして少しひんやりとしている。どこか故郷の神殿を思わせる空気だ。なるほどここが聖なる森と呼ばれているわけが、わかったような気がする。
ちょっと見渡しただけで野の花や野草も豊富で、鳥獣や虫の気配が伝わってくる。豊かな森なのだとわかった。
旅程としてはマグマの洞窟よりもだいぶ短く、道も整備されているため、快適な旅となった。
セレイアを先頭に、ディセル、ブレイズと続き、徒歩で森を目指す。
徒歩なのは、儀式はすでにはじまったようなもので、族長候補たちがそれぞれ自らの足で会場まで来ることが決まりとなっているからだった。セレイアたちもそれにならい、宿にプミラを置いてきた。
砂煙舞い散る荒野の道。
本当にこんな荒野の真ん中に森などあるのだろうかと半信半疑だったが、近づくにつれ信じざるを得なくなった。
驚きと、不思議さ。
それはトリステアとアル=ラガハテスの国境を見た時と似たような感覚だった。
川を挟んで雪がなくなったように。
ぴったり線で区切ったようにして、荒野の真ん中に鬱蒼と生い茂る森があったのだ。
一歩そこに踏み込むと、空気が変わった。
しっとりとして、酸素が濃い。そして少しひんやりとしている。どこか故郷の神殿を思わせる空気だ。なるほどここが聖なる森と呼ばれているわけが、わかったような気がする。
ちょっと見渡しただけで野の花や野草も豊富で、鳥獣や虫の気配が伝わってくる。豊かな森なのだとわかった。