麗雪神話~炎の美青年~
「お…っと、これは失礼。
今回はなぜアル=ラガハテスに?」
「商いをしに南へ行きたいんです」
打ち合わせ通りにディセルが答え、背負っていた袋からたくさんの宝石を取り出した。
アメジスト、サファイア、エメラルド、ラピスラズリ…
色とりどりの宝石が次々と出てくる。
これはすべてこの時のためにとセレイアが持ち出してきた彼女のありったけの私物だ。
「この通り、良質な宝石が手に入ったので」
「ほう…これはすごい」
ルラインはいくつかの宝石を手に取って眺めた。
それから職務質問をいくつかすると、
「わかりました。行ってよろしいでしょう」
と許可がおりた。
セレイアはほっとしたのだが…
二人が通行証をもらい踵を返そうとすると、不意に「お待ちください」と呼び止められた。
「妹さんの方は、なぜフードをはずさないのですか?」
その声には不審感が滲んでいる。
「妹は恥ずかしがり屋な性格ですから…」
ディセルが慌てて答えたが、すでにルラインはつかつかと歩み寄って来ていた。
「顔を見せなさい」
「…!!」
抵抗する暇もなかった。
次の瞬間にはセレイアはばっとフードを外され、その素顔をルラインにさらしていた。
今回はなぜアル=ラガハテスに?」
「商いをしに南へ行きたいんです」
打ち合わせ通りにディセルが答え、背負っていた袋からたくさんの宝石を取り出した。
アメジスト、サファイア、エメラルド、ラピスラズリ…
色とりどりの宝石が次々と出てくる。
これはすべてこの時のためにとセレイアが持ち出してきた彼女のありったけの私物だ。
「この通り、良質な宝石が手に入ったので」
「ほう…これはすごい」
ルラインはいくつかの宝石を手に取って眺めた。
それから職務質問をいくつかすると、
「わかりました。行ってよろしいでしょう」
と許可がおりた。
セレイアはほっとしたのだが…
二人が通行証をもらい踵を返そうとすると、不意に「お待ちください」と呼び止められた。
「妹さんの方は、なぜフードをはずさないのですか?」
その声には不審感が滲んでいる。
「妹は恥ずかしがり屋な性格ですから…」
ディセルが慌てて答えたが、すでにルラインはつかつかと歩み寄って来ていた。
「顔を見せなさい」
「…!!」
抵抗する暇もなかった。
次の瞬間にはセレイアはばっとフードを外され、その素顔をルラインにさらしていた。