麗雪神話~炎の美青年~
「全員そろったようですな」
野太い男の声に振り向くと、門前に見上げる巨躯の大男が立っていた。
全身に銀の鎧をまとい、背中に大剣を背負っている。
むき出しの腕は太く、セレイアが三人はぶらさがれそうだ。
兜のせいで顔はよく見えない。だが声で中年の男だということはわかった。
彼がこの聖なる森の門番なのだろう。
彼は全員を見渡し、彼らの首に下がった首飾りをみつめてから、口を開いた。
「それでは、成人の儀について詳しい説明をさせていただく。
あなたがた四人は、これからこの森の中で七日の時を過ごしていただく。その間の食料調達、寝床の確保は、それぞれに行うこと。むろん、協力するのは構わない。
そしてその七日の間に、この森に住む野生の赤プミールを一匹、自らの獣として手なずけること。手に入れたプミールに乗って、森の中央にある祭壇の頂に登り、そこにあなたたちが今手にしている族長候補の首飾りを置いてくること。首飾りを置くことで、はじめて証のメダルを手にすることができる。
それを持ってこの場所に戻ること、それにて成人の儀の終了とする。
なお、七日以内にそれができなかった者は、族長たる資格なしとして扱う」
ごくりと、誰かが唾を飲みこむ音が聞こえた。
族長としての資格が試されるこの儀式…なかなかに骨がありそうだとセレイアは思った。
野生のプミールを手なずけるのは、容易なことではない。しかも七日と期限が区切られている。ほかの三人は知らないが、ぽやんとしたブレイズに七日もの間の食料調達や寝床の確保ができるかどうかも心配だ。
野太い男の声に振り向くと、門前に見上げる巨躯の大男が立っていた。
全身に銀の鎧をまとい、背中に大剣を背負っている。
むき出しの腕は太く、セレイアが三人はぶらさがれそうだ。
兜のせいで顔はよく見えない。だが声で中年の男だということはわかった。
彼がこの聖なる森の門番なのだろう。
彼は全員を見渡し、彼らの首に下がった首飾りをみつめてから、口を開いた。
「それでは、成人の儀について詳しい説明をさせていただく。
あなたがた四人は、これからこの森の中で七日の時を過ごしていただく。その間の食料調達、寝床の確保は、それぞれに行うこと。むろん、協力するのは構わない。
そしてその七日の間に、この森に住む野生の赤プミールを一匹、自らの獣として手なずけること。手に入れたプミールに乗って、森の中央にある祭壇の頂に登り、そこにあなたたちが今手にしている族長候補の首飾りを置いてくること。首飾りを置くことで、はじめて証のメダルを手にすることができる。
それを持ってこの場所に戻ること、それにて成人の儀の終了とする。
なお、七日以内にそれができなかった者は、族長たる資格なしとして扱う」
ごくりと、誰かが唾を飲みこむ音が聞こえた。
族長としての資格が試されるこの儀式…なかなかに骨がありそうだとセレイアは思った。
野生のプミールを手なずけるのは、容易なことではない。しかも七日と期限が区切られている。ほかの三人は知らないが、ぽやんとしたブレイズに七日もの間の食料調達や寝床の確保ができるかどうかも心配だ。