麗雪神話~炎の美青年~
なんのことはない、指示通り衣をはだけたディセルをまともに見てしまっただけだ。
ディセルは上着をすべて脱ぎ、炎の前に立てた枝にひっかけている。
ブレイズも同じように上半身裸になっていたのだが、セレイアの目はなぜかディセルに釘付けだった。
ディセルがこんなに均整のとれた体つきをしているとは、知らなかった。
なめらかな肌、ほどよく筋肉のついた胸元や腕。
―きれい、素敵、いや、かっこいい…?
触れてみたいと一瞬思い、セレイアは真っ赤になった。
(なっ、何考えてるのよ私ったら!!)
破廉恥だ。自分がこんなに破廉恥だったとは!
セレイアはむりやり視線をひきはがし、慌てて意味のないことを口走る。
「か、乾かすのはいいけど、焦がさないようにね。あと、あんまりこっちに近寄らないでね…さあ! おなかがすいたでしょう! 食べましょう」
気が動転しているせいで、セレイアはきのこを火につっこんで真っ黒焦げにしてしまった。
「?」
「………」
怪訝そうに首を傾げるディセルと、傷ついたような顔つきのブレイズに、彼らの方を見られないセレイアは気が付かなかった。
セレイアの主導で、なんとなくペースを崩されている族長候補たちは、夕食を全員でとることになった。
しかし、野菜の量がどうの、干し肉の大きさがどうのと、やはり皆いがみあってしまう。
「もう、どうしてそんなに部族同士仲が悪いの?」
思わずセレイアが尋ねると、ヴァイパがすべてを拒絶するような静かなまなざしで答えた。
「あんたには関係ないだろ」
ディセルは上着をすべて脱ぎ、炎の前に立てた枝にひっかけている。
ブレイズも同じように上半身裸になっていたのだが、セレイアの目はなぜかディセルに釘付けだった。
ディセルがこんなに均整のとれた体つきをしているとは、知らなかった。
なめらかな肌、ほどよく筋肉のついた胸元や腕。
―きれい、素敵、いや、かっこいい…?
触れてみたいと一瞬思い、セレイアは真っ赤になった。
(なっ、何考えてるのよ私ったら!!)
破廉恥だ。自分がこんなに破廉恥だったとは!
セレイアはむりやり視線をひきはがし、慌てて意味のないことを口走る。
「か、乾かすのはいいけど、焦がさないようにね。あと、あんまりこっちに近寄らないでね…さあ! おなかがすいたでしょう! 食べましょう」
気が動転しているせいで、セレイアはきのこを火につっこんで真っ黒焦げにしてしまった。
「?」
「………」
怪訝そうに首を傾げるディセルと、傷ついたような顔つきのブレイズに、彼らの方を見られないセレイアは気が付かなかった。
セレイアの主導で、なんとなくペースを崩されている族長候補たちは、夕食を全員でとることになった。
しかし、野菜の量がどうの、干し肉の大きさがどうのと、やはり皆いがみあってしまう。
「もう、どうしてそんなに部族同士仲が悪いの?」
思わずセレイアが尋ねると、ヴァイパがすべてを拒絶するような静かなまなざしで答えた。
「あんたには関係ないだろ」