麗雪神話~炎の美青年~

まばゆい朝日と美しい小鳥の歌声により、二日目がはじまった。

セレイアとディセルが目を覚ますと、すでにほかの族長候補たちの姿はなく、ブレイズだけがまだすやすやと眠っていた。

幸せそうな寝顔に気が咎めたが、儀式成功のためにはいたしかたない。

「ブレイズさん! おはようございます! 朝ですよ~!」

セレイアは大きな声をあげてブレイズを揺り起した。

「ん……もう、朝? まだ眠い……」

眠たげに目をこすり再び寝入ろうとするブレイズから毛布をはぎとり、ディセルが強制的に起き上がらせる。

大切な儀式の時間を、無駄にはできないのだ。

なんとかブレイズは起きてくれた。そして身支度をし、すぐさまプミール探しを再開することとなった。

「今日も少し離れたところで見守っていますからね」

「ありがとうございます。がんばります」

まだ眠そうなブレイズの頼りない背中に、本当に大丈夫かという気持ちが頭をもたげる。

だが、これは彼の試練なのだ。見守るよりほかないだろう。
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