麗雪神話~炎の美青年~
ヴァイパの一族である風の一族アル=イーオウに、一人の女性がいた。
名はアーシャ。
赤金色の髪、青い瞳、象牙の肌。
絶世の、とつけたくなるような、まれにみる美女であった。
彼女の美しさは外見だけではなかった。
春風のごとき優しく穏やかな性格。おっとりとした風情で、たおやかで可憐、家事も得意とあって、年頃の男たちの憧れの的だったという。
その彼女には生まれた時から婚約者がいた。
それがヴァイパの父イーオウだった。
幼馴染であった二人は、仲が良く、共に助け合いながら成長していった。
しかし、その婚約を疎ましく思う若者は少なくなかった。
アヴァの父リスパと、ビッチィの父カゼルも、アーシャを欲しいと思い、イーオウとの婚約を認めていなかった。
その頃から部族間の仲には亀裂が入りはじめていた。
決定的となったのは、アーシャが16歳となり、ついに結婚かと話が動き出した時だ。
リスパとカゼルは、イーオウに決闘を申込み、勝った者がアーシャを得るという条件をつきつけた。決闘と言っても、正々堂々としたものからはかけ離れていた。
互いに暗殺者を送り合い、皆邪魔者の命を奪おうと画策したのだ。
そんな折、アーシャはある出会いを経験していた。
火の部族の長アル=ハルとの出会い。
アーシャはハルに恋をした。仲の良いイーオウへの感情は恋ではなく、家族に向けるものであったのだ。そしてハルも、アーシャを心から愛した。
三人の族長が血みどろの争いを繰り広げている間に、アーシャはハルの子ブレイズを身ごもった。
争っていた三人がこれを知り、どれだけハルを憎んだことか。
アーシャは結局、ハルの妻となった。
そしてそのことで、四つの部族は決定的に敵同士となってしまったのだ。
名はアーシャ。
赤金色の髪、青い瞳、象牙の肌。
絶世の、とつけたくなるような、まれにみる美女であった。
彼女の美しさは外見だけではなかった。
春風のごとき優しく穏やかな性格。おっとりとした風情で、たおやかで可憐、家事も得意とあって、年頃の男たちの憧れの的だったという。
その彼女には生まれた時から婚約者がいた。
それがヴァイパの父イーオウだった。
幼馴染であった二人は、仲が良く、共に助け合いながら成長していった。
しかし、その婚約を疎ましく思う若者は少なくなかった。
アヴァの父リスパと、ビッチィの父カゼルも、アーシャを欲しいと思い、イーオウとの婚約を認めていなかった。
その頃から部族間の仲には亀裂が入りはじめていた。
決定的となったのは、アーシャが16歳となり、ついに結婚かと話が動き出した時だ。
リスパとカゼルは、イーオウに決闘を申込み、勝った者がアーシャを得るという条件をつきつけた。決闘と言っても、正々堂々としたものからはかけ離れていた。
互いに暗殺者を送り合い、皆邪魔者の命を奪おうと画策したのだ。
そんな折、アーシャはある出会いを経験していた。
火の部族の長アル=ハルとの出会い。
アーシャはハルに恋をした。仲の良いイーオウへの感情は恋ではなく、家族に向けるものであったのだ。そしてハルも、アーシャを心から愛した。
三人の族長が血みどろの争いを繰り広げている間に、アーシャはハルの子ブレイズを身ごもった。
争っていた三人がこれを知り、どれだけハルを憎んだことか。
アーシャは結局、ハルの妻となった。
そしてそのことで、四つの部族は決定的に敵同士となってしまったのだ。