麗雪神話~炎の美青年~
赤プミールは飛行能力が弱い。だからまともに戦えば、トリステアの白プミール軍にかなうはずがないのはわかっている。だから今までトリステアの領土は、アル=ラガハテスと何度戦火を交えようと脅かされることがなかったのだ。
しかし、あのカティリナが、それを知らないとは思えない。
何か策があるのだ。
トリステア軍を脅かす、何か大きな策が。
―とてつもなく嫌な予感がする…!
「セレイア、セレイア、しっかりして」
ディセルに肩を揺さぶられ、セレイアははっとした。
気が付くとセレイアはディセルと二人で宿の一室に戻ってきていた。
ディセルの後ろには、彼がまとめたのだろう二人の荷物がある。
「俺たち、急いでここを離れよう。戦火に巻き込まれないように。
そして、隣町の霧をやっつけてこよう」
「……………」
ディセルの言うことはもっともだった。
二人は霧を退治し、ディセルの記憶を取り戻さなければならない。
しかし、セレイアは――。
セレイアはかぶりを振った。
「ディセル、私、トリステアを守らなくちゃ!!」
そんな言葉が口からほとばしっていた。
しかし、あのカティリナが、それを知らないとは思えない。
何か策があるのだ。
トリステア軍を脅かす、何か大きな策が。
―とてつもなく嫌な予感がする…!
「セレイア、セレイア、しっかりして」
ディセルに肩を揺さぶられ、セレイアははっとした。
気が付くとセレイアはディセルと二人で宿の一室に戻ってきていた。
ディセルの後ろには、彼がまとめたのだろう二人の荷物がある。
「俺たち、急いでここを離れよう。戦火に巻き込まれないように。
そして、隣町の霧をやっつけてこよう」
「……………」
ディセルの言うことはもっともだった。
二人は霧を退治し、ディセルの記憶を取り戻さなければならない。
しかし、セレイアは――。
セレイアはかぶりを振った。
「ディセル、私、トリステアを守らなくちゃ!!」
そんな言葉が口からほとばしっていた。