麗雪神話~炎の美青年~
「プミラ! ゴーグルを! 私たちも行くわよ!」

セレイアはプミラと自分にゴーグルを装着させると、「はっ!」と気合を入れて、単騎飛び出して行った。

今の状態の砦は、すぐに陥とされてしまう。

それだけはなんとしても避けねばならないのだ。

セレイアは国境砦の上、赤プミール軍の目の前に飛来し、立ちはだかった。

「止まって!!」

声を張り上げる。

赤プミール軍の先頭に、カティリナの姿をみつけ、セレイアは叫んだ。

「カティリナさん!! 止まってください!!」

かろうじて声が届いたのだろう。カティリナの指示で、赤プミール軍が静止する。

「あなたはセレイアさん。こんなところに何をしに来たのですか。ここは危ない。おどきなさい」

カティリナが言っている内容はセレイアを気遣うもののようだが、その声も瞳も冷ややかだった。まるで凍てつく氷のよう。

しかしセレイアは怯まなかった。

トリステアを守るために、怯んでなんていられない!
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