麗雪神話~炎の美青年~
「…待て!!」

砦へ向かおうとしていた兵士たちの前に、四騎の騎影が現れ行く手をふさいだ。

それは見覚えのある赤プミールの騎影だった。

―あれは…!!

騎影は近くの兵を殴り、ゴーグルを奪って身に着けたようだ。

「こんな卑怯な手はなしだぜ! 補佐役さんよ!」

「これ以上進むってんなら、俺たちが相手だ!」

現れたのはなんと、ブレイズ、ヴァイパ、アヴァ、ビッチィ―先日別れたばかりの族長候補たちだった。

なぜ敵国側の彼らが助けてくれるのか。

どうやってここまで追いついてきたのか。

その疑問に答えるように、ブレイズが言った。

「やっと手に入れた僕らの赤プミールたちが、すごくがんばってくれました。間に合ってよかった。
僕たちだってトリステアが欲しいと思わないわけじゃない。でもこんなやり方は納得がいかないんです。だから、僕たちも一緒に戦います!」

「ブレイズ、みんな………」

あれだけ頑なに心閉ざしていた皆が、一緒に戦ってくれるなんて。
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