麗雪神話~炎の美青年~
3
しかし感動しているひまはなかった。
「ありがとう! じゃあ、他の兵は任せたわ! 私はカティリナさんと戦う!」
これで心置きなく戦うことができる。
セレイアは手綱をさばき、呆然と成り行きを見ていたカティリナに迫った。
「カティリナさん、武器をおさめて。
考え直して!」
「残念だけど、アル=ハル様のために、砦は落とさせてもらうわ」
淡々とした口調には、揺るぎがない。
よほどの決意で事を起こしたのだろう。
言葉ではわかってもらえない。
ならば戦って、知らしめるだけだ!
「はっ!」
カティリナが先に仕掛けてきた。
細剣で的確に、セレイアの心臓を狙ってくる。
一時は共に旅をした仲だと言うのに、その手加減する気のなさに戦慄した。セレイアにはカティリナを殺す気など毛頭ないから、この戦いは残念ながらセレイアの方が分が悪い。
セレイアはプミラを旋回させてその攻撃を避け、同時に槍を横に薙ぎ払った。
赤プミールから落とすのが狙いだった。下は川だからだ。落ちても死なない。
「何その攻撃は! 甘いわよ!」
「…くっ!」
セレイアがカティリナを殺せないことを、見抜かれている。その上でカティリナは容赦なく急所を―今度は喉を狙って来た。
「ありがとう! じゃあ、他の兵は任せたわ! 私はカティリナさんと戦う!」
これで心置きなく戦うことができる。
セレイアは手綱をさばき、呆然と成り行きを見ていたカティリナに迫った。
「カティリナさん、武器をおさめて。
考え直して!」
「残念だけど、アル=ハル様のために、砦は落とさせてもらうわ」
淡々とした口調には、揺るぎがない。
よほどの決意で事を起こしたのだろう。
言葉ではわかってもらえない。
ならば戦って、知らしめるだけだ!
「はっ!」
カティリナが先に仕掛けてきた。
細剣で的確に、セレイアの心臓を狙ってくる。
一時は共に旅をした仲だと言うのに、その手加減する気のなさに戦慄した。セレイアにはカティリナを殺す気など毛頭ないから、この戦いは残念ながらセレイアの方が分が悪い。
セレイアはプミラを旋回させてその攻撃を避け、同時に槍を横に薙ぎ払った。
赤プミールから落とすのが狙いだった。下は川だからだ。落ちても死なない。
「何その攻撃は! 甘いわよ!」
「…くっ!」
セレイアがカティリナを殺せないことを、見抜かれている。その上でカティリナは容赦なく急所を―今度は喉を狙って来た。