麗雪神話~炎の美青年~
後方からブレイズの声が聞こえてきた。
「サラマス!! 人型をとれるようになったんだね!」
「おうよお坊ちゃん! 長い間体を貸してくれてありがとうな!」
(体を貸すですって? どういうこと!?)
セレイアの頭は混乱した。
カティリナもそうだっただろう。しかし我に返るのは、彼女の方が先だった。
「どけ! どかないのなら、お前を殺してでも砦を奪う!」
刃を構えなおし、サラマスと名乗った青年に向ける。
サラマスはふう、とひとつ息をついて言った。
「まだわからないのかカティリナ。
火の部族アル=ハルに属する娘よ。
我が名はサラマスと、言ったであろう」
口調が変わり、まなざしが炎を宿す。
はっとするほどの威厳が、サラマスの体全体から放たれる。
身動き一つとれずにいるセレイアとカティリナの目の前で、次の瞬間、信じられないことが起こった。
サラマスが広げた両手から、突如、すさまじい火柱が巻き起こったのだ。
炎は広がり、うねり、形を成して砦を壁のように覆う。
そう、まるで、砦を守るかのように。
「うわあ! 熱い! なんだこの炎は!」
「カティリナ様! これでは砦に近づけません!」
カティリナはあまりの光景に口をぽかんと開けて固まっている。
「我が名はサラマス。
アル=ハル族にて崇め奉られている、炎の神サラマスであるぞ。
その私に、楯突く気なのか、同胞カティリナよ!」
「サラマス!! 人型をとれるようになったんだね!」
「おうよお坊ちゃん! 長い間体を貸してくれてありがとうな!」
(体を貸すですって? どういうこと!?)
セレイアの頭は混乱した。
カティリナもそうだっただろう。しかし我に返るのは、彼女の方が先だった。
「どけ! どかないのなら、お前を殺してでも砦を奪う!」
刃を構えなおし、サラマスと名乗った青年に向ける。
サラマスはふう、とひとつ息をついて言った。
「まだわからないのかカティリナ。
火の部族アル=ハルに属する娘よ。
我が名はサラマスと、言ったであろう」
口調が変わり、まなざしが炎を宿す。
はっとするほどの威厳が、サラマスの体全体から放たれる。
身動き一つとれずにいるセレイアとカティリナの目の前で、次の瞬間、信じられないことが起こった。
サラマスが広げた両手から、突如、すさまじい火柱が巻き起こったのだ。
炎は広がり、うねり、形を成して砦を壁のように覆う。
そう、まるで、砦を守るかのように。
「うわあ! 熱い! なんだこの炎は!」
「カティリナ様! これでは砦に近づけません!」
カティリナはあまりの光景に口をぽかんと開けて固まっている。
「我が名はサラマス。
アル=ハル族にて崇め奉られている、炎の神サラマスであるぞ。
その私に、楯突く気なのか、同胞カティリナよ!」