麗雪神話~炎の美青年~
(凍らせて動きを止める…ことはできないか。素早すぎる、まずいな)
ディセルは一瞬の判断で、自らの周囲に吹雪を巻き起こした。
風がうなり、白い花弁が激しく舞い上がる。
ディセルの姿はこれで完全に見えなくなったはずだ。
その隙にディセルはカマキリから逃れ、路地裏へと入り込んだ。
(今は作戦を考える時間が欲しい)
カマキリが見失ったディセルを見つけ出すまで、少しは時間稼ぎになるだろう。
さて、どうしたものか……。
その時、背後から人の気配を感じた。
それはただの気配ではない。
強い“殺気”だ。
そう理解した瞬間、ディセルはほぼ反射で、体をひねっていた。
そうでなければ死んでいた。
短剣で背中から心臓を一突きにされて。
「おや、よくかわしたね」
殺気に不似合いな、穏やかな声が耳に届く。
「―誰だっ!?」
ディセルは一瞬の判断で、自らの周囲に吹雪を巻き起こした。
風がうなり、白い花弁が激しく舞い上がる。
ディセルの姿はこれで完全に見えなくなったはずだ。
その隙にディセルはカマキリから逃れ、路地裏へと入り込んだ。
(今は作戦を考える時間が欲しい)
カマキリが見失ったディセルを見つけ出すまで、少しは時間稼ぎになるだろう。
さて、どうしたものか……。
その時、背後から人の気配を感じた。
それはただの気配ではない。
強い“殺気”だ。
そう理解した瞬間、ディセルはほぼ反射で、体をひねっていた。
そうでなければ死んでいた。
短剣で背中から心臓を一突きにされて。
「おや、よくかわしたね」
殺気に不似合いな、穏やかな声が耳に届く。
「―誰だっ!?」