麗雪神話~炎の美青年~
3
その時、体を優しく濡らす雨を感じた。
そっと染み入るように、体を濡らす雨。
それはなぜかあたたかく、ディセルの体を包み込んでいく。
続いてふわりと体が宙に浮くような感覚がする。
これが命の終わりの感覚なのか。
自分はもう、死んでしまったのか。
ぼんやりと霞む意識の中でディセルがそう思っていると、どこか意識の遠くで聞き知った声がした。
「おっと。こんなところで彼を殺されちゃ、困るなぁ」
聞いたことのある声なのに、誰の声か思い出せない。
けれどそんなことどうでもよかった。セレイアでないなら、意味がないから…――。
ヴェインが忌々しげに舌打ちする音が聞こえる。
「くそっ、お前は…!! この男をかばうか…!」
「これ以上手出しはさせない」
「ふっ……ふははは!
まあいい。その方が面白いかもね。そうだ、そうしよう。もっともっと素晴らしい舞台を用意するんだ。なんにせよ、いずれ僕はお前の命を狩る。命拾いしたな、スノーティアス。
また会おう…ははははは!!」
(ヴェインが…去った…?)
眠くて眠くて、それはどうでもいいことのようにディセルには思えた。
「待っててね、寝ちゃダメ、今、毒を抜くから」
「う……」
体を包み込む雨の、温かさが増す。
体に染み込んで、眠気とだるさが少しずつ抜けていく…。
そっと染み入るように、体を濡らす雨。
それはなぜかあたたかく、ディセルの体を包み込んでいく。
続いてふわりと体が宙に浮くような感覚がする。
これが命の終わりの感覚なのか。
自分はもう、死んでしまったのか。
ぼんやりと霞む意識の中でディセルがそう思っていると、どこか意識の遠くで聞き知った声がした。
「おっと。こんなところで彼を殺されちゃ、困るなぁ」
聞いたことのある声なのに、誰の声か思い出せない。
けれどそんなことどうでもよかった。セレイアでないなら、意味がないから…――。
ヴェインが忌々しげに舌打ちする音が聞こえる。
「くそっ、お前は…!! この男をかばうか…!」
「これ以上手出しはさせない」
「ふっ……ふははは!
まあいい。その方が面白いかもね。そうだ、そうしよう。もっともっと素晴らしい舞台を用意するんだ。なんにせよ、いずれ僕はお前の命を狩る。命拾いしたな、スノーティアス。
また会おう…ははははは!!」
(ヴェインが…去った…?)
眠くて眠くて、それはどうでもいいことのようにディセルには思えた。
「待っててね、寝ちゃダメ、今、毒を抜くから」
「う……」
体を包み込む雨の、温かさが増す。
体に染み込んで、眠気とだるさが少しずつ抜けていく…。