麗雪神話~炎の美青年~
「セレイア、服の店で服を買おう。どうやら俺たち、目立ちすぎてるみたいだ。危険なことに巻き込まれないとも限らない」

ディセルの進言に、セレイアは頷いた。

確かに、二人は今、一目見て北から来たとわかるいでたちだった。

町ゆく地元の人々は皆、砂除けのマントを羽織り、頭にはゆったりとドレープをつくったターバンという布を巻いている。そして彼らの肌は褐色、髪色は赤から赤茶色がほとんどだ。金髪と銀髪の二人はそれだけでも目立つので、ターバンで髪を隠してしまうのがよいだろう。

見つけた服飾店で一式そろえ、着替えると、一気に旅のムードが増した。

意外にも二人とも、特にディセルは、よく似合っている。

半ば顔が隠れる布のせいで、きれいに整った口元が目立ち、より一層艶やかさが増したような気がする。男性に対して艶やかなどという表現はおかしいかもしれないが、セレイアはそう思った。

プミラにもアル=ラガハテス風の鞍をおいてやると、きゅうきゅう鳴いて喜んでいた。

ここら一帯では純白のプミールはとても珍しいため、プミラを連れて歩いている時点で北からの旅人とばれてしまうのだが、まさか染め直すわけにもいくまい。というわけで妥協案がこれだった。
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