麗雪神話~炎の美青年~
「どこから話せばいいのか…。
まず、俺が炎の神だってことは、お前たち、信じるか?」
「信じたくないけど…あれだけの力を見せられたら、信じるしかないわ…」
「俺も信じる」
「―それはよかった。
天上界で、俺はある人に頼まれたんだ。人間界に行って、“飛天の能力者”と呼ばれる特別な人間を捜すようにって」
「飛天の…能力者…?」
まったく聞いたことがない。どういった能力者なのかも名前からはわからない。
「その人はまさか、空でも飛ぶの?」
ディセルの問いは、まさにセレイアが尋ねようと思っていたことだった。
するとサラマスは軽く笑った。
「多分違うと思うぜ。俺もはっきりしたことは聞いていないんだが、これからの天上界と人間界にとって、なくてはならない大切な存在、それが“飛天の能力者”だと聞いた。たったひとりのその人物を捜しだして、何が何でも守るようにと。
それが―ヴァルクスという名の黒髪黒瞳の若い男だとも」
「…!!」
思いもよらぬ話の展開に、セレイアはごくりと生唾を飲みこむ。
(だから彼はヴァルクスを捜していた…。
でも黒髪黒瞳のヴァルクスさんなんて、いくらでもいる。あのヴァルクスだとは限らないわ。そうよ、限らないわよ)
セレイアは自分を納得させようとそう心で念じたが、あまり功を奏さなかった。
これは直感だ。
第六感とでも言うべきか。
サラマスの捜す人物はきっと、あのヴァルクスなのだと。
まず、俺が炎の神だってことは、お前たち、信じるか?」
「信じたくないけど…あれだけの力を見せられたら、信じるしかないわ…」
「俺も信じる」
「―それはよかった。
天上界で、俺はある人に頼まれたんだ。人間界に行って、“飛天の能力者”と呼ばれる特別な人間を捜すようにって」
「飛天の…能力者…?」
まったく聞いたことがない。どういった能力者なのかも名前からはわからない。
「その人はまさか、空でも飛ぶの?」
ディセルの問いは、まさにセレイアが尋ねようと思っていたことだった。
するとサラマスは軽く笑った。
「多分違うと思うぜ。俺もはっきりしたことは聞いていないんだが、これからの天上界と人間界にとって、なくてはならない大切な存在、それが“飛天の能力者”だと聞いた。たったひとりのその人物を捜しだして、何が何でも守るようにと。
それが―ヴァルクスという名の黒髪黒瞳の若い男だとも」
「…!!」
思いもよらぬ話の展開に、セレイアはごくりと生唾を飲みこむ。
(だから彼はヴァルクスを捜していた…。
でも黒髪黒瞳のヴァルクスさんなんて、いくらでもいる。あのヴァルクスだとは限らないわ。そうよ、限らないわよ)
セレイアは自分を納得させようとそう心で念じたが、あまり功を奏さなかった。
これは直感だ。
第六感とでも言うべきか。
サラマスの捜す人物はきっと、あのヴァルクスなのだと。