麗雪神話~炎の美青年~
「な………」
二の句が継げないセレイアに、ディセルが慌てて駆け寄る。
「セレイア、けがは!?」
「……それは、だ、大丈夫よ、でも……」
セレイアは鮮やかな印象を残して去って行った男の言動を思い返してみる。
「あの男…ひょっとしたら、私が何者か、知っているのかもしれないわ…」
「なんだって」
「あいつの捜しているヴァルクスって……」
「…セレイア」
二人の間に重苦しい沈黙が落ちた。
食事処のにぎわいが、二人から遠ざかる。
―彼の知りたがっている“ヴァルクス”が、あのトリステア王太子ヴァルクスなのだとしたら…。
何やらとても危険なにおいがする気がした。
セレイアは思う。
あの謎の男と、もう二度と、会いませんようにと…。
二の句が継げないセレイアに、ディセルが慌てて駆け寄る。
「セレイア、けがは!?」
「……それは、だ、大丈夫よ、でも……」
セレイアは鮮やかな印象を残して去って行った男の言動を思い返してみる。
「あの男…ひょっとしたら、私が何者か、知っているのかもしれないわ…」
「なんだって」
「あいつの捜しているヴァルクスって……」
「…セレイア」
二人の間に重苦しい沈黙が落ちた。
食事処のにぎわいが、二人から遠ざかる。
―彼の知りたがっている“ヴァルクス”が、あのトリステア王太子ヴァルクスなのだとしたら…。
何やらとても危険なにおいがする気がした。
セレイアは思う。
あの謎の男と、もう二度と、会いませんようにと…。