麗雪神話~炎の美青年~
第二章 弱虫青年
1
翌朝。
天幕の外のあまりの騒がしさに、セレイアは目覚めた。
ばたばたと人が走り回る気配。
あちこちで何かが倒れる音。
尋常でない様子だ。
一体何事だろう。
「霧だ! 霧が出たぞ!」
誰かの叫びが耳に届いた途端、一気に目が覚めた。
がばりと寝台から起き上がり、大急ぎで着替え、槍を装備する。
天幕を飛び出すと、ディセルの泊まった天幕に駆け込んだ。
「ディセル! 聞いた!? 霧よ! 起きて!」
天幕の中で、ディセルはすでに身支度を済ませていた。
「今、俺もセレイアを起こしに行こうと思っていたところだよ。準備は済んでいるんだね。今すぐ行こう!」
二人は目を見合わせると、同時に駆け出した。
町は霧から少しでも逃れようと人が駆け回り、我先にと他人を押しのけるため、露台が倒れさんざんな様相を呈していた。
ゆえに人の流れと反対の方向へ行くことは、かなりの苦労だった。
「セレイア、こっちだ」
ディセルがセレイアの手を引き、路地裏へとまわる。
確かにその方が早いだろう。
天幕の外のあまりの騒がしさに、セレイアは目覚めた。
ばたばたと人が走り回る気配。
あちこちで何かが倒れる音。
尋常でない様子だ。
一体何事だろう。
「霧だ! 霧が出たぞ!」
誰かの叫びが耳に届いた途端、一気に目が覚めた。
がばりと寝台から起き上がり、大急ぎで着替え、槍を装備する。
天幕を飛び出すと、ディセルの泊まった天幕に駆け込んだ。
「ディセル! 聞いた!? 霧よ! 起きて!」
天幕の中で、ディセルはすでに身支度を済ませていた。
「今、俺もセレイアを起こしに行こうと思っていたところだよ。準備は済んでいるんだね。今すぐ行こう!」
二人は目を見合わせると、同時に駆け出した。
町は霧から少しでも逃れようと人が駆け回り、我先にと他人を押しのけるため、露台が倒れさんざんな様相を呈していた。
ゆえに人の流れと反対の方向へ行くことは、かなりの苦労だった。
「セレイア、こっちだ」
ディセルがセレイアの手を引き、路地裏へとまわる。
確かにその方が早いだろう。