麗雪神話~炎の美青年~
セレイアは自己紹介も忘れてこう訊ねてしまった。
「あ、あの、ぶしつけなことを聞くようですが、ブレイズさん、お兄さんか弟さんがいるんじゃありません? それも、双子…とか、そっくりの」
うんうんと、隣でディセルが頷いている。
後方から豪快な笑い声が飛んできた。
アル=ハルだ。
「ブレイズは私の一人息子ですよ。他にはいない。むろん双子も。
なんだセレイア殿、息子に面識があったのですか」
「あった…と言えばあった、んですが…」
セレイアのセリフは尻すぼみになってしまった。
ブレイズは小首を傾げながら、恥ずかしそうに言った。
「いえ、父上、この方々とは初めてお会いしますよ」
「じゃあ、人違いです、ね…」
そう言われてみれば、今目の前にいるこの青年には、きのう会った青年から放たれていた覇気のようなものがないし、滲み出るようにして感じられる美しさもない気がする。
気にはなったが、とりあえず別人だったということでセレイアとディセルは納得するしかなかった。
「お~いブレイズ、どうしたの? お客様?」
その時天幕の奥からもう一人ひょっこり姿を現した。
「あ、あの、ぶしつけなことを聞くようですが、ブレイズさん、お兄さんか弟さんがいるんじゃありません? それも、双子…とか、そっくりの」
うんうんと、隣でディセルが頷いている。
後方から豪快な笑い声が飛んできた。
アル=ハルだ。
「ブレイズは私の一人息子ですよ。他にはいない。むろん双子も。
なんだセレイア殿、息子に面識があったのですか」
「あった…と言えばあった、んですが…」
セレイアのセリフは尻すぼみになってしまった。
ブレイズは小首を傾げながら、恥ずかしそうに言った。
「いえ、父上、この方々とは初めてお会いしますよ」
「じゃあ、人違いです、ね…」
そう言われてみれば、今目の前にいるこの青年には、きのう会った青年から放たれていた覇気のようなものがないし、滲み出るようにして感じられる美しさもない気がする。
気にはなったが、とりあえず別人だったということでセレイアとディセルは納得するしかなかった。
「お~いブレイズ、どうしたの? お客様?」
その時天幕の奥からもう一人ひょっこり姿を現した。