麗雪神話~炎の美青年~
「おお、受けてくださるか」

アル=ハルの顔がぱっと輝く。

「よかったな、ブレイズ」

そう言ってウインクする。ウインクは彼の癖らしい。

「は、はい、父上。
首飾りは次期族長のための国宝。この場合、次期族長が直接ことを収めるのがこの国の決まりなので、僕が行かなければならないのですが…。
僕一人では我ながらとても心配だったので、とても心強いです」

確かに、気弱そうなブレイズは、酒場で出会ったあの男と違って、ナイフなどとても扱えなさそうだ。ブレイズからは、故郷のおっちょこちょい神官クレメントに近いものを感じていた。
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