麗雪神話~炎の美青年~
3
アル=ハル族の町を発って四日目の昼、一行はついにマグマの洞窟に到着した。
どんよりと曇る空。光射さぬ岩と土だけの荒野の中に、その洞窟はあった。
洞窟の入り口と言えば岩山に穿たれた穴のようなものを想像していたセレイアは、荒野にせりだす岩山こそみつけたものの、入り口らしきものがみつけられずにとまどった。
そのとまどいを察したかのように、カティリナが説明する。
「入口はこの岩を裏手にまわったところです」
言うなり、カティリナはなぜか足を止めてしまった。
「カティリナさん?」
「では、私は帰ります」
「え!?」
「私に与えられた任務は、マグマの洞窟までの護衛。もう到着いたしましたので、これにて」
踵を返すカティリナに、セレイアはあっけにとられて何も言うことができなかった。
どんよりと曇る空。光射さぬ岩と土だけの荒野の中に、その洞窟はあった。
洞窟の入り口と言えば岩山に穿たれた穴のようなものを想像していたセレイアは、荒野にせりだす岩山こそみつけたものの、入り口らしきものがみつけられずにとまどった。
そのとまどいを察したかのように、カティリナが説明する。
「入口はこの岩を裏手にまわったところです」
言うなり、カティリナはなぜか足を止めてしまった。
「カティリナさん?」
「では、私は帰ります」
「え!?」
「私に与えられた任務は、マグマの洞窟までの護衛。もう到着いたしましたので、これにて」
踵を返すカティリナに、セレイアはあっけにとられて何も言うことができなかった。