麗雪神話~炎の美青年~
第四章 第二のブレイズ
1
ランタンの灯りなど必要なかった。
洞窟の中は、ところどころで煮えたぎるマグマによって、赤く明るく照らし出されていた。
息を吸うのも少し苦しいくらいの熱気があたりを取り巻き、うねった岩の道が奥へ奥へと続いている。
ディセルを先頭に、ブレイズ、セレイアと続いたが、セレイアの目から見て、明らかに前を行くブレイズは怯えきっていた。
体を強張らせ、ぎくしゃくと足を踏み出しながら周囲をきょろきょろと見回し続けている。
どこかから唸り声のような不気味な音が聞こえてくると、真っ先に反応して跳び上がった。
「…ひっ! な、なに」
セレイアは努めて柔らかい口調で彼をとりなす。
「大丈夫、ただの風の音ですよ。洞窟ではよく聞こえる音です。ほら、小さな穴がたくさんあいているから」
「そ、そうですか」
一応そう答えたものの、ブレイズはまだ怯えているようだった。
数歩もいかぬうちに何かじゃりっとするものを踏みつけたらしく、「ひっ」と息をのむ。
「ま、まさかガイコツ…!」
セレイアはしゃがみこんで彼の踏んだものを確認する。
右手でつまみあげ、笑って見せた。
「大丈夫、ただの軽石ですよ」
「か、軽石…か…はは、ははは」
洞窟の中は、ところどころで煮えたぎるマグマによって、赤く明るく照らし出されていた。
息を吸うのも少し苦しいくらいの熱気があたりを取り巻き、うねった岩の道が奥へ奥へと続いている。
ディセルを先頭に、ブレイズ、セレイアと続いたが、セレイアの目から見て、明らかに前を行くブレイズは怯えきっていた。
体を強張らせ、ぎくしゃくと足を踏み出しながら周囲をきょろきょろと見回し続けている。
どこかから唸り声のような不気味な音が聞こえてくると、真っ先に反応して跳び上がった。
「…ひっ! な、なに」
セレイアは努めて柔らかい口調で彼をとりなす。
「大丈夫、ただの風の音ですよ。洞窟ではよく聞こえる音です。ほら、小さな穴がたくさんあいているから」
「そ、そうですか」
一応そう答えたものの、ブレイズはまだ怯えているようだった。
数歩もいかぬうちに何かじゃりっとするものを踏みつけたらしく、「ひっ」と息をのむ。
「ま、まさかガイコツ…!」
セレイアはしゃがみこんで彼の踏んだものを確認する。
右手でつまみあげ、笑って見せた。
「大丈夫、ただの軽石ですよ」
「か、軽石…か…はは、ははは」