麗雪神話~炎の美青年~
2
どこをどう行けば最短でブレイズのもとまで行けるか、二人はコンパスを見て推測しながらひた走った。
心臓の鼓動がばくばくとうるさいのは、走っているせいだけではない。
今どれくらい氷が溶けたか、ブレイズはまだ無事なのか、心配で心配でたまらないせいだ。
セレイアには、どうにもブレイズをこちらの事情に巻き込んだようにしか思えなかった。
何が何でも助けなければ、アル=ハルにどう顔向けできる!
曲がりくねる道を走り続ける二人に、頭上から何かが襲いかかってきた。
黒く素早い影。
鳴き声で、コウモリだとわかった。
二人を静かな巣の侵入者として、排除しようと言うのだろう。
その数数十羽。
槍で薙ぎ払えばどうということはない数だった。
しかしセレイアは先を急ぐために、多少の怪我を厭わずそのまま直進することに決めた。
コウモリの鋭い爪が、腕や足の皮膚を容赦なく切り裂くのがわかる。
それでもセレイアは応戦しなかった。ただ走り続けた。
「セレイア!! 無茶だ!!」
「だって…!」
心臓の鼓動がばくばくとうるさいのは、走っているせいだけではない。
今どれくらい氷が溶けたか、ブレイズはまだ無事なのか、心配で心配でたまらないせいだ。
セレイアには、どうにもブレイズをこちらの事情に巻き込んだようにしか思えなかった。
何が何でも助けなければ、アル=ハルにどう顔向けできる!
曲がりくねる道を走り続ける二人に、頭上から何かが襲いかかってきた。
黒く素早い影。
鳴き声で、コウモリだとわかった。
二人を静かな巣の侵入者として、排除しようと言うのだろう。
その数数十羽。
槍で薙ぎ払えばどうということはない数だった。
しかしセレイアは先を急ぐために、多少の怪我を厭わずそのまま直進することに決めた。
コウモリの鋭い爪が、腕や足の皮膚を容赦なく切り裂くのがわかる。
それでもセレイアは応戦しなかった。ただ走り続けた。
「セレイア!! 無茶だ!!」
「だって…!」