麗雪神話~炎の美青年~
3
だいぶ坂を下ってきた。
コンパスの方角からすると、そろそろブレイズが落下したあたりのはずだ。
上から見えた足場はどこだろう。
セレイアが角を曲がると、氷の上に倒れているブレイズの姿が見えた。
…やっとたどり着いた!
「ブレイズさん!!」
セレイアが足を速めたその時だった。
「待てよ」
背後から声がかかった。
聞き覚えのある声だ。
セレイアが思わず振り返ると、そこには小太りの男がにやにや笑いを浮かべて立っていた。
確か……ビッチィとかいう名前の次期族長だ。
「すみません、今は急ぎますので」
とにもかくにもブレイズを救出するのが先だ。セレイアは踵を返そうとしたが、急に強い力で肩をつかまれ振り向かされた。
「なんだよつれないな。ブレイズなんてほっとけよ」
「ほっとけません! 放して!」
「お前、一人みたいだな。俺はお前みたいな上玉に目がないんだ。こいつはラッキーだぜ」
ビッチィのまとわりつくような視線が不快だった。
けれどそれどころではないのだ。
コンパスの方角からすると、そろそろブレイズが落下したあたりのはずだ。
上から見えた足場はどこだろう。
セレイアが角を曲がると、氷の上に倒れているブレイズの姿が見えた。
…やっとたどり着いた!
「ブレイズさん!!」
セレイアが足を速めたその時だった。
「待てよ」
背後から声がかかった。
聞き覚えのある声だ。
セレイアが思わず振り返ると、そこには小太りの男がにやにや笑いを浮かべて立っていた。
確か……ビッチィとかいう名前の次期族長だ。
「すみません、今は急ぎますので」
とにもかくにもブレイズを救出するのが先だ。セレイアは踵を返そうとしたが、急に強い力で肩をつかまれ振り向かされた。
「なんだよつれないな。ブレイズなんてほっとけよ」
「ほっとけません! 放して!」
「お前、一人みたいだな。俺はお前みたいな上玉に目がないんだ。こいつはラッキーだぜ」
ビッチィのまとわりつくような視線が不快だった。
けれどそれどころではないのだ。