麗雪神話~炎の美青年~
「おい、大丈夫か、お嬢ちゃん」
「え………?」
声をかけながら歩み寄ってきた彼の声は、紛れもなくブレイズのもの。
だが発声がいつもと違った。
ちょっと低く、腹からのよく通る発声だ。
この顔とこの発声に、かちりと何かの符号がかみあった気がした。
「ブレイズさん…じゃない。あなた、酒場で会った…?」
「酒場でも会ったが、俺は紛れもなくブレイズだよ、お嬢ちゃん?」
低い声と流し目、艶っぽい微笑みは、ブレイズのイメージからはかけ離れたものだった。
だからだろう。セレイアは呆然としながらも反論していた。
「うそよ…ブレイズさんはさっきマグマに呑まれて……助かるはずが…それもやけどひとつないじゃない」
ブレイズと名乗った男はからからと陽気に笑った。
「そりゃ普通のブレイズがマグマに落ちたら死んでたな。
だが俺は“違う”ブレイズだ。第二のブレイズとでも覚えといてもらえるか?
俺はマグマなんかじゃ死なない。やけどもしない」
「第二の…ブレイズさん……?」
信じがたい話だ。
だが、服装も髪型も、本がたくさん入った荷物も、マントのよじれ具合まで、先ほどまで一緒だったブレイズそのものなのだ。同一人物と考えた方が頷ける。
「え………?」
声をかけながら歩み寄ってきた彼の声は、紛れもなくブレイズのもの。
だが発声がいつもと違った。
ちょっと低く、腹からのよく通る発声だ。
この顔とこの発声に、かちりと何かの符号がかみあった気がした。
「ブレイズさん…じゃない。あなた、酒場で会った…?」
「酒場でも会ったが、俺は紛れもなくブレイズだよ、お嬢ちゃん?」
低い声と流し目、艶っぽい微笑みは、ブレイズのイメージからはかけ離れたものだった。
だからだろう。セレイアは呆然としながらも反論していた。
「うそよ…ブレイズさんはさっきマグマに呑まれて……助かるはずが…それもやけどひとつないじゃない」
ブレイズと名乗った男はからからと陽気に笑った。
「そりゃ普通のブレイズがマグマに落ちたら死んでたな。
だが俺は“違う”ブレイズだ。第二のブレイズとでも覚えといてもらえるか?
俺はマグマなんかじゃ死なない。やけどもしない」
「第二の…ブレイズさん……?」
信じがたい話だ。
だが、服装も髪型も、本がたくさん入った荷物も、マントのよじれ具合まで、先ほどまで一緒だったブレイズそのものなのだ。同一人物と考えた方が頷ける。