麗雪神話~炎の美青年~
翌日、アル=ハルに呼ばれて族長の天幕まででかけていくと、成人の儀までのブレイズの護衛も頼まれた。

ブレイズは例の“書斎天幕”でラクールという以前セレイアたちも一度会った友人と過ごしていることがほとんどだそうだから、天幕の外を見張っていてほしいのだという。

セレイアとディセルは二つ返事で引き受けた。

そもそも、成人の儀までの間、特にやるべきこともなく、時間を持て余していたのだ。

ブレイズの身が純粋に心配だということもあるが、第二のブレイズにも会って聞きたいことがたくさんあった。彼は確実に吟遊詩人の正体を知っていた。そして吟遊詩人は、きっとディセルが天上界に戻るための鍵だ。そばにいればいずれまた会えると思っての判断だった。
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