SONG 〜失われた記憶〜
七月七日、
今日は七夕。

彦星と織姫が年に一度だけ、
逢瀬を交わすことのできるロマンチックな日。

そして私の二十回目の誕生日でもある。



なのになぜか私はダイニングで、
イヤホンから流れるメロディーに言葉を乗せる作業に四苦八苦していた。


《 Do you remember?
those words you said to us

"My favorite song in the world"
100% overflowing Magic word
You of that when you remember always a…》

途中まで出来ていた歌詞を口ずさんでみた。

次なる言葉が出てくるかと思ったが、
人生そんな甘くなかった。



私はこの作業、
作詞が何より苦手だった。

作曲は得意なのだが、
どうもこれだけは慣れない。

かなりペースが遅い。


「あー、
もうダメ。
全然浮かばない」

私はデスクに項垂れながら呟いた。

せっかくの誕生日なのにデスクに向かって、
必死こいてる自分が虚しくなる。








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