……っぽい。
カップルでもないのにケンカ? と、しほりの大きな目が見開かれ、次いで半目になり、最後は作った笑顔ではにかまれてしまった。
ああ、そういう憐れんだ目で見るのやめて……。
私だって器の狭い女だとは思う、たかがあんなもの、笠松の自由に洗わせてやっていれば、こんなにこじれることはなかったとも思う。
でも、そこだけはどうしても譲れない部分だったのだ、分かっておくれよ、しほり。
「で、原因は?」
「……あ、あのね、驚かないで聞いてね。この前、笠松に私のパ……!パンツ洗われそうになった……っ!恥ずかしくて死ぬかと思った!」
「は!? パンツ!?」
「そうなの!ありえなくない!?」
いい歳して子供みたいにケンカして、あんた本物のバカなの?と憐れみの気持ちをを隠すことなく向けてくるしほりの眼差しに耐えきれず、とうとう告白してしまったあの日の羞恥。
言ったとたん、うわああ!と猛烈な恥ずかしさが襲い、私は耐えきれずに顔を覆うと、そのままテーブルに額を押し付けた。
男物のパンツを履けても、うっかり笠松の前でストッキングあるあるのスクワットをしてしまっても、どうしてもパンツだけは誰にも洗われたくなかったし、きちんと別にしていた。
それなのに笠松ときたら……。